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子宮頚がんワクチン副反応26
DSM5の身体症状症
(タグ;子宮頚癌、頸がん、頸癌、副作用)

 論文の欠点を指摘するより、全国の神経内科医・精神科医・小児科医が自信を持って心因性障害の診断ができることの方が、何倍も重要です。その障壁となっている誤解を取ることがこのブログの役割です。

 DSMは精神障害の診断と統計マニュアル(Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders)の略です。精神疾患は検査値の異常で定義するのが難しく、診断が不ぞろいであったので作られ、アメリカ精神医学会によって出版され世界中で使われています、しかし、1980年の第3版から多軸診断やカテゴリー診断を取り入れ、1994年の第4版からの身体表現性障害を提唱し、いずれも2013年の第5版では廃止という前科があります。子宮頚がんワクチン副反応16で一部紹介。

 一般の方はまず「症候群」を理解しましょう。例として、クッシング症候群があります。満月様顔貌や中心性肥満(手足より胴が太い)があり、血圧が高く、血糖値が高いなどの所見を伴います。これらから、副腎機能亢進症が推定され、副腎の良性腫瘍や下垂体の腺腫などの原因が考えられます。

1)DSM4(TR)で考える

 否定されたDSM4で身体表現性障害の中の身体化障害は、ヒステリーに当たるとされています。その基準を見ると、症候群と似ておりこれがカテゴリー診断です(*1)。下記の基準にも書かれている転換性と解離性(記憶喪失も代表的)は別になっています。

DSM4身体化障害の基準
A:30歳以前に発症し,何年にもわたって持続する多症状性の障害。
B:以下の基準のおのおのを満たしたことがなければならず,個々の症状は障害の経過中のいずれかの時点で生じている。
(1) 4つの疼痛症状;少なくとも4つの異なった部位または機能に関連した疼痛の病歴
(2) 2つの胃腸症;:疼痛以外の少なくとも2つの胃腸症状の病歴
(3) 1つの性的症状;疼痛以外の少なくとも1つの性的または生殖器症状の病歴
(4) 1つの偽神経学的症状;疼痛に限らず,神経学的疾患を示唆する少なくとも1つの症状または欠損の病歴(協調運動または平衡の障害,麻痺または部分的な脱力、嚥下困難または喉に塊がある感じ,失声,尿閉,幻覚,触覚または痛覚の消失,複視,盲,聾,けいれんなどの転換牲症状,記憶喪失などの解離性症状,または失神以外の意識消失)
C :下の(1)か(2)のどちらか:
(1)適切な検索を行っても,基準Bの個々の症状は,既知の一般身体疾患または物質の直接的な作用によって十分に説明できない
(2)関連する一般身体疾患がある場合,身体的愁訴または結果として生じている社会的,職業的障害が,既往歴,身体診察所見,または臨床検査所見から予測されるものをはるかに超えている
D:略

 確かに、心因性障害には、多数の、脈絡のない、次々変わる症状があります。しかし、心因性障害は、患者のいきあたりばったりの発動で症状が出るだけで、症候群としての意味はないです。心因性障害の本質的理解があれば、考えるまでもありませんが、今回それを裏付けになるものを見つけました。後に述べるようにDSM5では症状をあげつらうことをしていないのです。
 西岡基準(*2)は症候群として実体があるように見せかけていますが、症例の分析では心因性と考えられる例が多く、否定されたDSM4の身体化障害と同じく、羅列です。また、Cの除外診断は当然ですが、西岡基準にはありません。

2)DSM5で考える

 再編されたDSM5では、「身体症状症および関連症群」の中に、心気症に当たる(身体化障害に替わる)身体症状症と、転換性障害を言い換えた変換症があります。上で述べたように、DSM5の身体症状症では、症状をあげつらっていません(これは変換症でも同じです)。たくさん項目があるように見えますが、「自分の体のことが非常に気になり、生活の持続的な障害がある」に過ぎません。

DSM5身体症状症の基準
A: lつまたはそれ以上の,苦痛を伴う,または日常生活に意味のある混乱を引き起こす身体症状
B:身体症状,またはそれに伴う健康への懸念に関連した過度な思考,感情,または行動で以下のうち少なくとも1つによって顕在化する
(1 )自分の症状の深刻さについての不釣り合いかつ持続する思考
(2)健康または症状についての持続する強い不安
(3)これらの症状または健康への懸念に費やされる過度の時間と労力
C:身体症状はどれひとつとして持続的に存在していないかもしれないが,症状のある状態は持続している(典型的には6カ月以上)
該当すれば特定せよ
疼痛が主症状のもの(従来の疼痛性障害):この特定用語は身体症状が主に痛みである人についてである
該当すれば特定せよ
持続性:持続的な経過が重篤な症状,著しい機能障害,および長期にわたる持続期間(6カ月以上)によって特徴づけられる
現在の重症度を特定せよ
軽度:基準Bのうち1つのみを満たす
中等度:基準Bのうち2つ以上を満たす
重度:基準Bのうち2つ以上を満たし,かつ複数の身体愁訴(または1つの非常に重度な身体症状)

 以前、西岡基準が心因性障害である身体化障害に似ているとの指摘がありました。これに対して、どちらも症候群のように解釈して、(身体化障害が成り立つなら)西岡基準も成り立つのではという反論がありましたが、ここまで述べたように、この( )内は間違いで、反論は勘違いです。子宮頚がんワクチン副反応21で示したように、視床下部説では症状説明が神経内科専門医でも無理で、HANSは全くまとまりなしです。

 精神科医も心因性障害は得意ではないので、私が今回指摘した論はまだ無いようですが、これは診断にあたって重要です。引用だらけで簡単に見えるかも知れませんが、毎日夜中もずっと考えて、初夢も子宮頸がんワクチンに関するエピソードだったという苦しみから生まれたものです。

(*1)第5版ではこれから脱却を目指し、一部が多元的診断になったとされます。
(*2)International Journal of Rheumatic Diseases 2014; 17 (Suppl. 2): 6

子宮頚がんワクチン副反応26

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子宮頸がんワクチン | 10:58:18 | トラックバック(0) | コメント(0)

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