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子宮頚がんワクチン副反応31
日本で副反応問題がこじれた要因
(タグ;子宮頚癌、頸がん、頸癌、副作用)

 先日、あるメーカーにこの問題の解決ビジョンについて聞きました。正直なところ、副反応報告提出と情報提供(MR活動)しかしていません。別の必死な担当者にはビジョンがないビジネスは撤退すべきであると述べました。村中さんの頑張りはありますが、現状は厳しく、その程度の活動で解決するとは思えません。
 メーカーには、解決ビジョンといわずとも、副反応問題がこじれた要因の分析もありません。この機会に考えを整理しました。

1)我が国ではSMONなどの薬害の歴史がある。(*1)
 薬害が起こる可能性が周知されています。しかし、これは社会の財産であり、悪いことではありません。

2)テレビで心因性例も副作用と報道された。
 公共NHKも、一部医師の影響もあったかもしれませんが、その症例の前の主治医(13施設)がどういう根拠で副作用でないと診断したのか確認の取材をしたのでしょうか?安易に1)に結びつけていませんでしたか。その例の意識障害は解離性トランス以外では説明困難です。

3)SNS発達で広まった。
 歴史的に集団ヒステリーは多くの例があるが、テレビだけでなくスマートフォンによるツブヤキも心因性障害の誘因になった可能性はあります(*2)。調べてみると、私だけでなく、この問題が広まっていた2013年9月に、「集団ヒステリーの新たな感染経路となるソーシャルメディア」というITニュースもあります。
 2015年、小学6年生の携帯電話・スマートフォン所有率の全国平均は58.0%とされており、同じ教室に症例がいなくても、いくらでも症例の情報は得られます。心因性障害(古典的にヒステリーという方が分かり易い)は、他の病気の真似をし易いが、奇異な動作は動画を見ていなくても起きます。全く関係ない人に、歩きにくい真似をしてくださいと指示をし、その度さらに別な歩行障害の真似を要求すると(役者でなくて)何種もできるでしょう。報道例の異常運動もこれを越えるものではありません。
 ただし、先進国でも所有率は高く、我が国だけの問題ではありません。
 主治医は専門医のプライドをかけて、詳しい病歴や診察所見から診断を下しています。それら家族がwebサイトを作るのは自由ですが、主治医のような関わりもなしに、家族だけの情報を撒き散らすのは、責任ある社会人ではありません。引用した家族に対して実は加害者になっている可能性もあるのです。

4)精神科診断の混乱
 DSM4の身体化障害で心因を求めた誤りが、副反応問題が出て来た2012-2013年には残っていました。この解説12をしました。
 これは世界的なことですが、「明らかな心因がなくて、心因性障害(変換症)が起こる」を家族に納得させる精神科の力量が、我が国ではどうかです。精神科が神経学から離れてだいぶ経ちます。今の精神科医は自分が知らない神経疾患が未だあるだろうとして、神経学矛盾所見の評価ができず、変換症と診断できません。
 必須ではないといっても肝心な心因の評価についても、専門家として周囲をうならせるものがあるでしょうか?私が池見酉二郎について調べた時に、当時、精神分析に値する者は1人くらいだったそうです。その後、多く輩出したと聞いていません。最近の論文(*3)でも、我が国には精神分析家は30-40人しかいないと述べられ、「日本は精神分析が市民生活に根づいたことのない唯一の先進国」と評されています。セラピストは数百人はいるとされ、「精神科の患者で、症状よりも人との関わり方、自己や世界の主観的な受け取り方に臨床的焦点があり、切実な動機づけがある場合、精神科医は患者を彼らに紹介して精神分析的精神療法を依頼できるはずである」と述べられています。
 「読心術のような特殊能力を備えている人は精神科医というカテゴリとは無関係です。」という私のブログへのコメントも確かと思いますが、「患者の反発を避けるため心因性と言わない」程度の(精神科的?)対応で済ます(*4)ことに歯がゆさも感じないなら、精神科医の価値はないでしょう。私は診察時間を十分取りさえすれば、自らの力量を信じて、より効果が上がるように病名を家族には積極的に告げる方針です。
 我が国には、森田療法や故河合隼雄などの優れた精神医学的財産があります。誰か一人のがんばりで解決できるはずなく、多くの精神科医や知識人の力を集めて、臨床心理の世界を欧米なみに市民文化に根づかさなければ、心因性障害が解決することはないでしょう。副作用のリスクかワクチンの効果かという単なる2者択一の公衆衛生の問題ではないです。

(*1)整腸剤キノホルムによる薬害。1955年頃より発生し1967~1968年頃に多量発生した。
(*2)まだ実証はされていないので、精神科医の取り組みが必要と述べました。
(*3)藤山直樹、臨床精神医学、2015、44(8):1109-1114
(*4)患者との関係構築で医師本来の意見をしばらく伏せることは理解できます。本文と直接関係しませんが、村中ブログに心因性患者のことを述べた専門家が匿名であることを非難する発言があります。この理解が少しでもあればそのように言えないでしょう。
 そもそもEBMに基づいた指針がないときエキスパート・オピニオンとして専門家の意見が尊重されています。論文上で彼らの名前全てが明らかになることはありません。これは専門家を選定した著者の信頼性が担保されていれば済むことです。こうした事情も分からない世間一般の素人ならやむをえませんが、学者ならそう言うべきではありません。もちろん、村中さんの信頼性を問題にするのはその人の自由です。
 私が考える解決法のために匿名の専門家に積極的に働いてもらい、それを尊重する世論を作るつもりです。

子宮頚がんワクチン副反応31


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子宮頸がんワクチン | 15:17:43 | トラックバック(0) | コメント(0)

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