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子宮頚がんワクチン副反応39
HLA- DPB1*05:01保有率 子宮頸がんワクチン副反応群で増えていない?
(タグ;子宮頚癌、頸がん、頸癌、副作用)

 前回の「子宮頚がんワクチン副反応38」で未だ分かっていない、対照となる日本人のHLA- DPB1*05:01の保有率を、村中記事を基に推定しました。統計ソフトRが移動で使えなかったので、協力者に統計的検討をお願いしました。Fisher Exact test検定の結果、下図に示すように、鹿児島大学での検査群は対照群とP値(両側)= 0.08549>0.05で有意差なし信州大学での検査群は対照群とP値(両側)= 0.71698>0.05で有意差なしです。P値>0.05で有意差なしに異論を唱える人はまずいません。特に信州大学群の値は、十数例越えてこれくらいなら目処がないとあきらめるのが通常の研究者です。

HLA保有率1

 対照群は推定であることは認めますが、信州大学群でヘテロ数がホモ数の2倍を越えているように、対照群も今回推定より大きいと考えており、中庸な推定と思います。少なくとも5割は越えていると考えるのが自然ですから、特異度が5割以下となり、この検査が臨床的に役立つというのはトンチンカンというは前回指摘のとおりです。図を見て差があると思う方もいるかも知れませんが、現状の20件程度では差がないのが統計的真実です。

 HLAは人種差、地域差があり、実はHLA研究所の遺伝子頻度40%も、厳密に「日本人の値」としてよいか、研究者は鵜呑みにしていません。母集団(日本人の真値)の一つの推定値に過ぎないというのは、HLA研究所の値についても言えることです。対照群を調べた上で、比較する必要があると繰り返し述べているのはこのことです。

 ここで整理してみます。
1)子宮頚がんワクチン副反応 21で述べたように、HLA- DPB1*05:01は免疫疾患である多発性硬化症との関連性が以前から言われていたので、ワクチン副反応を免疫異常と捕らえて、子宮頚がんワクチン副反応例で検討したのは研究仮説としては凡庸です。
2)私も1枚資料の日本人遺伝子頻度を正しく理解しなかったように、研究者が副反応例の保有率と誤って比較し、有意に高いと誤解したと、彼らの言動から推定されます。遺伝子頻度は村中記事で、有意差なしとされました。
3)今回の対照群の推定から、現状、保有率にも差があるといえず、研究はこれからと考えられます。
4)デンマークの疫学研究は、疫学に携わったことのある方なら垂涎というか、日本では勝負になりません。その研究で子宮頸がんワクチン接種により多発性硬化症など中枢脱髄性神経疾患は増えていないと結論されており、今後、日本でも散発的にADEMなどが報告されても想定の範囲内と考えるのが常識的です。
5)日本人でHLA- DPB1*05:01遺伝子の頻度が欧米と比べて高いということは確かと思われますが、研究の引き金となった多発性硬化症との関連が(子宮頸がんワクチン接種と関係なく)言われているので、他のワクチンでも副反応が強い例に多いというのは無理な推論ではありません。そこで、この遺伝子陽性例がどのような経過や症状なのかという分析が重要です。副反応とされる中にも確実にいる心因性例が陰性になってくるかです(今回推定のように保有率6割以上となれば、これもできませんが)。
6)日本人に副反応が多いという仮説に流用しようとする研究者もいるようですが、2016年2月から受療状況調査が始まっており、この仮説さえ確かといえません。心因性障害診療に無力な医師たちや、科学的訓練の足りない一部医師・報道陣や、インターネットに乗った家族や他の人々によるバーチャルな出来事にすぎない可能性もあるのです。
7)若干、わが国で副反応例が多いということになっても、報告例に心因性が含まれていることは否定できない事実であり、それらを救うのは認知症薬や免疫抑制剤でないことは、論を待つまでもありません。
8)一部報道に踊らされる不幸な人が出ないように、今後も科学的解説をしていく必要があります。

子宮頚がんワクチン副反応39

2016年5月23日、有意差があるというのでもなく、仮定ですから、信頼区間を示すことはしていません。

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子宮頸がんワクチン | 21:33:02 | トラックバック(0) | コメント(0)

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