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池田教授の脳抗体実験の真実3
(タグ;子宮頚癌、頸がん、頸癌、副作用)

 前回、脳抗体は茶番と述べました。池田英文症例報告の方にはまだまだ重要な批判点がありますが、子宮頸がんワクチン問題において脳抗体は本当にカスです。こんなものに時間を割くのは馬鹿げていますが、ACドクターズがどんなものかという教材にはなるでしょう。
村中記事がもっと分かる資料を見つけました。この問題に関心のある方には必須なので紹介します。この先にとても重要です。

NFkBp50ノックアウトと神経変性

 NFkBp50は、あらゆる神経細胞の存在し、その生存に大きな影響があるとされています(*1)。2007年、信州大学眼科を中心にNFkBp50ノックアウトマウス(以下、特異マウス)がヒトの正常圧緑内障の動物モデルになるのではという研究が発表されました(*2)。正常圧緑内障では眼圧上昇が原因ではなく神経自体が悪いと考えられています。
 雑誌はBritish Neuropathological Society(英国神経病理学会、訳は未確認)が発行し、科学誌ランキングとみなされるインパクトファクターJournal Impact指標2.91とされ良いです。論文もとても良いです(池田教授の脳抗体実験は信じられない退化ですね)。
 この特異マウスでは、何もしないでも(つまり加齢)網膜神経節細胞(図3)が障害され脱落します。

図3 網膜の細胞  WT::野生系、KO:NFkBp50ノックアウトマウス
網膜細胞TakahashiNFKB

 図4で、右棒で表される特異マウス(KO)の網膜神経節細胞数は、2ヶ月までは左棒で表される野生系(WT)と差がないですが、5ヶ月では有意(*1)に減少しています。

図4 野生系(WT)・交雑系(+/-)・NFkBp50ノックアウトマウス(KO)の網膜神経節細胞数
TakahasiNFKBCellLoss2.jpg

 NFkBはアルツハイマー病やパーキンソン病など他の神経変性疾患との関連も言われており、変性は抗体ではない機序も考えられますが、著者は一歩踏み出して特異マウスで自然にできる自己抗体が原因だろうとしています。図3下の右で野生系マウスの網膜神経節細胞標本に特異マウス血清をかけて結合した抗体を緑に染めています。左の野生系マウス血清をかけた同標本では染まりません。ここで注目していただきたいのは、標本に野生系マウスが使われており、抗体検出という狭い課題には問題はないことです。

 NFkBp50ノックアウトマウスにおける、自然な神経細胞変性や自己抗体産生が、池田教授の膝元の信州大学から発表されていては、村中記事ではこれらを信じたくなかったなすりつけ派も信じる他ないでしょう。

交雑系マウスも病的

 さらに重要なことが、池田脳抗体実験の標本にも使われた交雑系マウスの性質です。図4の中棒、(+/-)で示されている交雑系マウスも、数が数匹(記載あり)なので有意差はつかないものの、網膜神経節細胞数が野生系より少ない傾向があり、数を増やすか10か月まで観察すれば、間違いなく数が減るでしょう。
 ホモ動物よりは軽くても交雑系ヘテロ動物が異常をきたすことは遺伝の世界では珍しくありません。つまり、交雑系マウスも病的で、個体ごとに自己免疫発症の状態が違っているので、前回指摘したように、試行は厳格に行わないといけません。これがスライドの標本が同一個体かを問題とする理由です。
 同じ大学の先行論文では正しく野生系が使われているのに、池田脳抗体実験ではなぜゆがめて交雑系を使ったのでしょう。考えられるのは、野生系マウス標本ではHPVワクチン接種特異マウス血清の抗体が結合しなかったことです。

 通常IgGは正常脳には反応せず、図5で示すように、変性した組織には反応するようになります。白矢印で示すように、自己免疫疾患を発症すると特異IgGが正常脳に反応することがあります。なすりつけ派はこれがHPVワクチン抗体でも起きるとして池田実験を弁解するのですが、前述下線部が本当ならば白矢印ではなく、下の横矢印でしょう(*3)。接種前からNMDA受容体関連脳炎などを接種以前から持っていない、健常なHPVワクチン接種少女たちには、無縁な話です。

図5 免疫グロブリンと反応する組織
変性脳抗体

 つまり、免疫暴走特異マウスであっても、正常海馬に選択的に結合する自己抗体の特異IgGさえも生じなかったということになります。引用文献からすると、この交雑系マウスの海馬変性は、自己免疫機序でもない可能性があります。さらに、実際、特異マウスで自己抗体ができるといっても、個体ごとにテンデンバラバラにいろいろな組織に対して抗体ができるのであって、海馬に選択的に抗体ができる頻度はとても低いでしょうから。(*4)

(*1)Kaltschmidt B他 Cold Spring Harb Perspect Biol. 2009 Sep;1(3):a001271.
NF-kappaB in the nervous system.
(*2)Takahashi Y他 Neuropathol Appl Neurobiol. 2007 Dec;33(6):692-705.
Development of spontaneous optic neuropathy in NF-kappaBetap50-deficient mice: requirement for NF-kappaBetap50 in ganglion cell survival.
(*3)標本に使われた交雑系マウス脳の変性は複雑な過程なので、特異IgGだけでなく、左下向き黒矢印で示すように多種の通常IgGもくっついているでしょう。
(*4)ワクチンと関係なくNFkBp50ノックアウトマウスに、海馬選択的に結合する自己抗体ができると証明できたら科学的価値は十分あるはずで、子宮頸がんワクチンから足を洗って転向する方が良いです。

難しい話でしたが、頭のいい人なら全部つながって理解できたでしょう。次回、科学に素人の弁護士さんのために、まとめて解説します。

子宮頚がんワクチン副反応69

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子宮頸がんワクチン | 11:27:10 | トラックバック(0) | コメント(0)

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