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子宮頚がんワクチン副反応14
村中さん記事の解説5(タグ;子宮頚癌、頸がん、頸癌、副作用)

 この記事の良い所は?子宮頚がんワクチン接種が実際に効果あるという論文を紹介してくれました。

 村中記事の子宮頚がんワクチン接種が効果ありという疫学研究の紹介が簡単すぎるというHさんのコメントを目にしたので、専門外なので避けてきた子宮頚がんワクチン接種効果について、無料でPubMedから入手可能なこの英語論文を一般の人にも分かるよう説明してみます。

Reduction of low- and high-grade cervical abnormalities associated with high uptake of the HPV bivalent vaccine in Scotland
K G J Pollock他 British Journal of Cancer  (2014) 111, 1824–1830

 British Journal of Cancerは題に英国とありますが、インパクトファクターという科学的価値の指標が約5と高く、We are one of the world's leading general cancer journalと書いてある国際的な癌研究専門誌です。何より、サイエンスと並び称される科学誌ネイチャーの出版グループですから、一流誌と言って過言ではないでしょう。
 著者のPollockはスコットランドのHealth Protectionに所属、Kavanaghがグラスゴーにある大学の数学統計学部に所属です。
 前段部で、70%以上の接種率の4価HPVワクチン(ガーダシル)がオーストラリアで細胞診の高度異常を減らすことを示す2011年論文が紹介されています。2価HPVワクチンでも、HPV16と18だけでなく、HPV31、33、45まで防御するらしいという文献紹介もあります(Kavanagh 2014, Malagon 2012)。
 今回は英国の国営医療制度の完備したデータに基づく住民ベースpopulation-based study(*)が売りです。1988-1992年に生まれ、登録された20万人中、2008-2012年にスクリーニングの膣鏡検査(病理を含む)検査を受けた20-21歳の女性10.6万人が対象です。2008年から2価HPVワクチン(サーバリックス)接種が12-13歳で推奨されたので、1988-89年生まれはほぼ接種なし、以後の非接種との計約2.5万人と接種約7.6万人における、細胞診の異常の発生率を検討しています。高血圧や糖尿病など患者がどこにでも多数いる疾患の研究でも、良くて千人単位の研究ですから、この規模は大変な数です。
 村中記事では1988年群を1としたリスク比が、1992年に3回接種を受けた群では0.49と半分以下になったグラフを示しています。群(コーホート)の年差が4年程度なので、生活環境が著しく変わったとは思われず、研究に適当でしょう。
 他にも図表は多いですが、ここでは前癌状態に近いCIN3例の発生率の図を写しました。1992年コーホートは検査年齢外で総数が1.4万人になった上、啓蒙が進み非接種が18%に減少しているため信頼区間が広くなっていますが、検査期間が同じになれば1991年コーホートくらいに収まるでしょう。結論は村中紹介のグラフの方です。

PollockCIN3.jpg

 業者サイトによると既存研究では、接種から抗体値は数年維持されているので、約8年は効果が見込まれるそうです。また、感染行為は継続されるので、発生率の差は年とともに広がる傾向とのことです。コーホートが設定されているので、この研究も何年後かに追加報告が出るのは確実です。その結果を期待しましょう。

 ここまで時間を費やして子宮頚がんワクチン副反応8から書いてきましたが、個人の限界あるので、今後も私がワクチン効果について最新文献を探すつもりはありません。業者やその専門家がすれば良いです。市民のHさんの手助けとして今回だけ記事作成しました。

(*)昔、心筋梗塞・脳卒中の疫学調査を手伝ったことがあります。病院受診者に基づくhospital-basedの疾患頻度の研究はいくらでもありますが、それでは漏れた患者や専門病院過ぎて偏ったデータの危険性があり、研究のランクとしては低いです。対する住民ベースpopulation-basedの研究は日本では久山町研究などごくわずかで、急性で重篤な疾患についてさえ非常に困難です。
 厚労省の副反応検討会でも疫学データなしで議論は進まないと言っていますが、心因性障害の住民ベースの発症率など、この先何年たっても得られると思えません。中村さんブログにコメント066bbさんは疫学の重要性など良く分っていらっしゃるようですが、村中記事にこれがないので「目新しい物はなかった」で済ますのは本格的疫学調査の経験がないのでしょう。
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子宮頸がんワクチン | 13:26:51 | トラックバック(0) | コメント(0)
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