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子宮頚がんワクチン副反応15
子宮頚がんワクチンにより中枢神経脱髄疾患は増えていない」Schellerデンマーク論文
(タグ;子宮頚癌、頸がん、頸癌、副作用)

 前回と同様、2015年4月23日「神戸市感染症・ワクチンフォーラム」で佐野公彦先生に紹介していただいた論文(*)を、一般市民向けに説明します。

 大脳表面の皮質にある細胞はコンピューターで言えば記憶素子にあたります。その記憶素子はシナプスという神経細胞間の連絡で近くの細胞にもつながりますが、大脳皮質の離れた所には軸索という回線を通ってからシナプスで繋がっています。この回線が皮質下(脳で言えば内側)にかたまって走るのを大脳白質といいます。一つひとつの回線の絶縁被覆材がオリゴデンドロサイトと呼ばれるグリア細胞です。多発性硬化症はオリゴデンドロサイトが自己免疫で障害され大脳白質が破壊される病気です。欧米に多いですが日本でも神経内科になじみの病気です。
 子宮頚がんワクチン副反応12心因性と同様に、自己免疫が疑われる辺縁系脳炎も若年女性に多いと述べてきましたが、免疫が関係する中枢神経の代表疾患が大脳白質を侵す多発性硬化症であり、ワクチン接種後に中枢神経に脱髄をおこす例は知られていますので、子宮頚がんワクチンの副作用でこれが生じるか、研究者は当然関心を持っています。

 Quadrivalent HPV vaccination and risk of multiple sclerosis and other demyelinating diseases of the central nervous system.
Scheller NM他 JAMA. 2015 Jan 6;313(1):54-61.

 JAMAは古くから総合医学雑誌のトップを走る雑誌の一つです。デンマーク156万人とスウェーデンと合わせて全398万の女性を基盤とする住民ベース研究です。全約400万中に2006年から2013年の間に多発性硬化症が4322例、その他の脱髄疾患が90例と、統計処理に十分すぎる患者が出ています。
 4価HPVワクチン(ガーダシルのこと)接種を78.9万人が平均年齢17.3歳で受け、多発性硬化症の粗発症率は接種群6.12人/10万人、非接種群21.54人/10万で、かえって接種の方でかなり少ないように見えますが、補正した率の比は0.9(95%信頼区間0.7-1.15)と1.0で有意差はありません。つまり、4価子宮頚がんワクチン接種により中枢神経脱髄疾患は増えていません。

 以前、デンマークの病院で子宮頚がんワクチンによる副作用例があるとのテレビ報道があったとのことです(ネット上で知りました)。前回に話したように、心因性除外がどうなっているか不明の病院ベースで発症が多いというのは信頼性が低いです。このJAMA論文の前ではホタルの光ほども意味がありません。また、神経内科の目からすれば、心因性を除外するのはデンマークのその病院では十分できないでしょう(登場した女性も、薬物の影響か病態かは分かりませんが、うつ患者の仕草に似ている印象でしたが、十分な情報ではありません)

 まだ課題はありますが、副作用例の分類などは論文を書くしかないので、しばらく撃ち止めにします。マスコミ報道や市民からの質問・疑問があれば再開します。

(*)無料サインインで入手可能 http://jama.jamanetwork.com/article.aspx?articleid=2088853
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子宮頸がんワクチン | 08:03:23 | トラックバック(0) | コメント(0)
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