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子宮頚がんワクチン副反応16
文化遺産の語 ヒステリー
(タグ;子宮頚癌、頸がん、頸癌、副作用)

 一般の人には心因性障害で無理なく伝わりますが、専門家には病名をどうするか問題があるので、これから何回か検討してみます。twitterのギスギスした話しでなく、精神科的な間延び話しなのでゆっくり読んでください。子宮頚癌ワクチン議論を明確にするため大いに役立つでしょう。

 私は臨床神経学研修の中で良き先輩に恵まれ、北野病院などをへて琉球大学で神経内科診療を一人で行い、2002年に「神経診察ビジュアルテキスト」を医学書院から出版しました。その中に「心を見る」という章があります。医学書院のプロの校正家が「見る」ではなく「診る」でしょうと修正をかけてきましたが、精神科講義(*1)でも教えられなかった、患者の仕草から心を見ることができるとの意なので断りました。この中で、心因性障害(分かり易く言えばヒステリー)を詐病と一緒に扱うのはかわいそうと考え、合わせて扱う小見出しには新語の「偽病」としましたが、真意を理解せずかえって「偽り」と負の意味にとる人もいました。

 病名について、精神分裂病が統合失調症に変わったことは知っているでしょう。本質的な精神・心・思考などを隠した病名になりました。私は精神科病院でも勤務歴がありますが、呼び替えだけで変わったとは思えません。新規向精神薬の進歩が大きいです。
 ヒステリーも、精神医学で転換性症状(*2)と解離性症状を主とする精神障害群を意味していましたが、興奮して異常な行動とることに転用流布され、語源が古代ギリシャ語の子宮であるとして、用語として使わないとされました。しかし、アメリカ精神医学会の『精神障害の診断と統計マニュアル』DSM4版1994年に「歴史的にヒステリーまたはブリケ症候群と呼ばれた」ありますが、ブリケ症候群は専門医でさえ知らない者もおり、そのDSM4が提唱した身体表現性障害は一般人には理解されていません

 それどころか、神経内科専門医の私でさえ子宮頚癌ワクチン以前から診療で心因性障害をいろいろ経験してきましたが、そこを何回読んでも雲が払えず、まだ経験不足かと考えていました。驚いたことに、日本では2014年6月出版のDSM第5版では、「DSM4における身体表現性障害があいまいであった」、「身体表現性障害の間に多くの重複があり、診断の境界が不明瞭であった.これらの障害をもつ人が精神医療よりも身体医療の場を受診するにもかかわらず精神科領域外の医療者にとってDSM4の身体表現性障害の診断基準を理解して使いこなすことは困難であった」と述べています。教科書の方が間違えていたとお詫びされても、遅いというものです!

 DSM5をまだ読んでいない医師も多いでしょうから(*3)、これは後日読むとして、今回言いたいのは古典的な語ヒステリーを使うことです。

 「てんかん」は差別されることもまだあるでしょうが、啓蒙が進み、用語を変えろというのは大勢ではないです。ネットから引用すると;
 「てんかん」という病名は、西欧諸国で広くつかわれているエピレプシー(Epilepsy)よりも起源の古い、古代中国医学、世紀前200年頃、万里の長城を築いた秦の始皇帝の時代、官廷医たちによって編纂された中国最古の医書である「黄帝内経大素」に由来する用語。漢字の「癲(てん)」は顛倒の顛にやまいだれで囲んだもので、「倒れる病」という意味であり、(略)「癇(かん)」はひきつけ、けいれんを意味する言葉で、もとは小児てんかんを意味する病名でした。「癲」と「癇」を合わせた「癲癇」という用語が使われるようになったのは、唐の時代(618~907年)の末、わが国では9世紀の初頭に編纂された「千金方」以後(略)。「癲癇」という言葉は、てんかん発作の代表ともいうべき大発作である「倒れる病」という意味であり、合理的・科学的です。秋元波留夫先生講演より」(*4)とあります。漢字は難しくても、意味は明瞭です。

 神経学の祖であるフランスのシャルコーがヒステリーの臨床講義をしている絵(*5)は、神経学を学んだ者に知らぬ者はいないのでは思えるほど有名です。シャルコーはヒステリー研究に大きく貢献しています。

Une_leçon_clinique_à_la_Salpêtrière_02

 ヒステリーは実際に女性に多いとされているので由来を否定する必要はなく、男にもあり性差別ではない、詐病ではないと、説明するのはとても簡単です。診断名としてもっとふさわしいものがあればそれで良いですが、まだ十分ではありません。「てんかん」と同じくらい、ヒステリーも歴史に根差しており文化遺産と言える語です

 説明に医師が「ヒステリー」と言ったから後は聞く耳持たないという態度はおかしいです。それを表現すると正統的な誤用ですね(典型的とか常識的というのが的確ですが、言葉の遊びで)。繰り返しになりますが、素人にも分かり易い用語なので、正しい意味を啓蒙すれば、「てんかん」同様に、問題ないことです。

(*1)当時、神戸大黒丸征四郎教授の良い講義でした。
(*2)子宮頚がんワクチン副反応9で、conversionを転換と訳すと「てんかん」と聞くだけでは区別できないので、転向障害もしくは変更障害と訳す方が良いと述べています。
(*3)私もテキスト改訂の時間を求めて転職したのでDSM5は避けて通れませんが、カンデル神経科学を読んでいたためDSM5を実際に読むのはこれからです。
(*4)http://www.akari-chan.com/html/epi.html 
秋元 波留夫(1906~2007)精神医学者。1929年、東京帝国大学医学部卒業。金沢医科大学と東京大学医学部教授、東京都立松沢病院院長など歴任し有名。
(*5) wikipediaから。絵の高名な弟子たちの名前も同定されているくらいです。

 子宮頚癌ワクチン問題では他の方も頑張っていますが、理論的には一人で戦っているようで、正直、私にもつらいものがあります。苦しさに耐えて責任を果たそうとしていますが、おかげで私も成長しています。

子宮頚がんワクチン副反応16
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子宮頸がんワクチン | 13:03:34 | トラックバック(0) | コメント(0)
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