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子宮頚がんワクチン副反応18
神経学の祖 シャルコーが教えてくれたこと2
(タグ;子宮頚癌、頸がん、頸癌、副作用)

 シャルコー神経学講義の著者ゲッツの解説に、「シャルコーによるヒステリー研究への貢献のうち,男性ヒステリーの確立と,男性ヒステリーと小さな外傷の帯びつきがしばしば見られるのを確認したという2点はもっとも重要である。 略 第一次世界大戦中,一見健康そうな兵士たちは感情が高ぶった状態で小さな外傷を負った後,数え切れないほどの奇妙な症候を起こしたのだが,シャルコーの観察はこの状況を理解する基礎となった。シャルコーは,外傷のせいで一過性の催眠状態となり,その最中の自己暗示によって麻痺が起こると示唆した。」と述べられています。(*1)
 ワクチンの筋注とそれらの「小さな外傷」は違うという人もいるかもしれませんが、ワクチンがロシアン ルーレットなみに障害をもたらすと宣伝される中で接種されたら、年若い女性には同じになるのではと思います。
 シャルコーの講義例にあるように「外傷後の(心因性)麻痺は打撲や受傷の直後に生じるのではなく、時間をおいて出現する。」ともう一つの解説書(*2)でも述べられています(心因性は今回挿入)。これは昨今問題になっている例でも見られます。

 これらの指摘は子宮頚がんワクチンもない時代、シャルコーの厳密な神経学的検討による火曜日外来だけでも244例という多数のヒステリー患者に基づくものです(*3)。我々が知らなすぎです

 シャルコー 力動精神医学と神経病学の歴史を遡る ―精神科医からのメッセージ
 江口重幸 勉誠出版 2007
シャルコー江口本表紙


 シャルコー自身の性格の評価はいろいろのようですが、彼の死後も弟子たちが育ちました。フロイトは短期の受講だったそうですが、堂々たる講義に感銘を受け、後に無意識の実在を示す人類に最大級の貢献をしました。フロイトの印象ではシャルコーはさわやかであたたかく,ウィーンで師事した教授の「ひどい浅はかさ」とは正反対だったそうです。(*4)
 また、シャルコーは詐病とヒステリーの違いを明らかにしていますが、解説者がヒステリーてんかんの章の最後においたエピソードからも、彼が患者の深い信頼を得ていたとうかがわれます。

 引用(*5)
 ヒステリー患者のうち有名なプランシェ(マリー) ・ウイットマンはシャルコーが死んでまもなく(つまり催眠実験が行なわれなくなったころ),発作がなくなった。彼女は1900年ごろサルペリエール病院の放射線技師になってガンと長く苦しい闘いを続け,その間に指,手,腕を次々に失ったが,けっしてヒステリー発作は繰り返さなかった。(*5)
 ボードゥアンが「あの発作は全部作りごとで,患者は眠るまねをして匿者をからかっていたのだという説がある。これは本当かね?」と聞くと、彼女は答えた。「絶対に違います,嘘です。発作は本当に起こって嗜眠状態になったんです。それ以外のことは何もできなかった。それだけじゃなくて,発作はちっとも楽しくなんかなかったのです」。さらに彼女は加えた。 「作りごとですって! シャルコー先生を簡単にだませるとでも思ってるの? そうですとも,いかさま師が大勢やってみましたよ。シャルコー先生はそんな連中を一目見るとこう言うんです。 『おとなしくしてなさい』つてね」

 これからも分かるように、シャルコーはシャーロック ホームズ並みに詐病を簡単に見抜く力がありました。その人がヒステリーについて述べている特徴ですから信頼できます。

(*1)p176-77、シャルコー神経学講義
 略中に「工業化時代が進むにつれ,仕事に関連した説明不可能な病気が急増したが,シャルコーはその多くがヒステリーと解釈できると説明した。」とあるが、現代からすると、職業性ジストニアもあり、ヒステリーと間違えられてもおかしくないので、注意を要する。

(*2)p79、シャルコー 力動精神医学と神経病学の歴史を遡る ―精神科医からのメッセージ 江口重幸 勉誠出版 2007。
 三浦謹之助などにも触れ、シャルコーとその余波を描き、伝記としてはこちらが優れています。弟子の発言など1次資料に近いのはGoetzの方ですが、ゾラまで触れなければ終われないことを感じさせてくれました。
 日本の神経学にこれらを今なお伝える岩田誠先生(ふらんす2008;vol83no3白水社に書評)だけでなく、シャルコーとともに混乱を歩むことができたらと願う人はいるはずです。
 なお、拙著「神経診察ビジュアルテキスト 医学書院 2002」の閉じ込め症候群で「嘆きのテレーズ」の原作者ゾラが(1867年に)どうしてこのような設定ができたのだろうか?と疑問を投げていましたが、この伝記を読んで分かった気がしました。火曜日講義は一般公開されたとのことです(p16、同上)。

(*3)p174、シャルコー神経学講義
(*4)p181、同上
(*5)p182、同上。彼女が表紙図の患者とのことです。

 これらの本が教えることはまだありますが、それらは別な文脈で引用します。読者が、シャルコーをいくらかでも好きになって、ヒステリーという用語の表層的批判から離れることを期待します。医師はもちろんですが、一般の人にも医学を垣間見れる良い機会と思いますので、2つの本をぜひ読んでみてください。
 病名をどうするかは続きますが、重要なHLAとの関連の下書きが昨日新幹線の中でできたので、週末には出します。

子宮頚がんワクチン副反応18
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子宮頸がんワクチン | 10:57:08 | トラックバック(0) | コメント(0)
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