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子宮頸癌ワクチン副反応1
 昨日7月2日、全国放送のTVで子宮頚癌ワクチンの副作用が取り上げられていました。このブログも当初予定外の模型ヨット中心になっており、病院関係はあたりさわりない方が良いのかも知れませんが、患者を守るためにも一言述べます。

 ワクチンで末梢神経や中枢神経の障害が出ることがあるのは知られています。議論は科学的でなければいけません。テレビで以前取り上げられたアメリカのNYの女子高生の集団異常も、当初は子宮頸癌ワクチンとは関連づけられてはいませんでしたが、これとの関係をいう者がいるようです。しかし、疫学が発達したアメリカで、NYと同じ頻度(発症人数/接種人数)で他の州で子宮頸癌ワクチン後に異常が発生しているという報告は知りません。6月12日に行った講演会でも述べるべきでした。

 遠方の患者をサポートしている病院はありがたいと思いますが、他の神経専門医の批判に耐えられる詳細な神経診察や臨床神経生理検査が必要です。脳や脊髄の障害による高度な麻痺(筋力低下)であれば、1.5Tの良いMRIで全く異常が検出されないのは考えにくいです。末梢神経障害でも、経頭蓋磁気刺激で相応の所見がないとおかしいです。(他の麻痺であればこれらに異常所見がない場合もありますが、神経専門医なら知っているでしょう) 今回の報道でも、不思議に思うことはいくつかあります。「症状が次々変わっていく」ことは、器質的障害の根拠を残しながらであればとても重要ですが、十分に裏付けされているのでしょうか。

 正確な神経学的知識が必要を示すためある例をあげます。診察をしていない患者について言うのは控えたいですが、感覚障害がないのに、示指と中指は正常、薬指と小指の伸展が麻痺し、手関節装具でこれらが伸展可能になったという腕神経叢障害疑いで発表は大いに疑問です。腕神経叢障害の正しい診断は難しいですが、神経専門医ならなぜ疑問か分かるでしょう。

 子宮頚がんワクチンが副反応を低頻度でも生じることが当然あるように、逆に、報道を通して若年女性の心因性患者がこの群に入ることも自然です。門前払いはもっての外です。心因性であれば初療の神経内科専門医の対処の仕方で、続く泥沼から患者や家族を救うことができます。

 注意を促したいのは、精神科医でも「心因」が見えない例も多いことです。講演会で一部述べましたが、Psychogenic Movement Disordersという論文(Miyasaki JMら Can J Neurol Sci 2003)で、The diagnosis should not be made or refuted by a psychiatrist. It is extremely counter-productive in the management of these patients when, as often occurs, a psychiatrist gives a patient “psychiatric clearance” and insisting that an organic basis must be present.と述べています。通常の精神科医は器質的疾患の全容を十分わからないので、自分が知らない器質的疾患がまだあるように感じるのです。
 子宮頸癌ワクチンについても、初療の神経内科専門医が正しく心因性か器質性か見分けることが重要です。
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子宮頸がんワクチン | 10:29:24 | トラックバック(0) | コメント(2)
コメント
精神科医は心理士ではないです。
読心術のような特殊能力を備えている人は精神科医というカテゴリとは無関係です。
2015-11-18 水 16:18:05 | URL | [編集]
貴重なコメントありがとうございます。深いなるほどという内容ですね。
2015-11-20 金 08:37:46 | URL | [編集]
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