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階段の踊り場で at a staircase landing
階段の踊り場で at a staircase landing

 下書きいくつも抱えていますが、これまで登ってきた階段を振り返り、この先を考えます。

 2014年にNHKテレビの子宮頚がんワクチン報道の批判をしました。なすりつけ派女親方のぼやきはあったものの小波さえ立たず、こちらも模型ヨットの方が主でその苦労だけで平和でした。
 ところが2015年10月にRiko du Japonが戦争を始めたので、彼女を守るため参戦しました。HLAだけでなく解決すべき問題は山積みでした。DSMでさえ分かり難い記述で味方かどうか定かでありませんでした。もともと研究を考えると夜も昼も関係なかったですが、この戦争でも夜中に目が覚めると、するべきことが次々浮かんできて、できるかどうかわからないがやらざるえないという圧迫感がありました。年末は年賀状も書けないほどでした。精神疾患を発症するというのはこういうものなんだろうと追体験をしている気がしました。2016年には神経学会に味方がいないことが分かって、Rikoさんも同じだと思いますが、自分がやらないと日本が大変なことになると、身を削る思いでした。
 これに耐えて、DSMなどは解決しました。2016年3月からは5月の神経学会対策で全力投球し、HLA以上に大問題になったであろう脳血流など「なすりつけ」派の発表を一人でつぶしました。
 その時に笑わなくなっている自分に気づきました。心因性障害は正しく診断しても、家族や周りの医療スタッフの無理解など解決できない苦しみが一杯です。以前は、どちらかと言うと、知らずに人を傷つけることはあっても、自分が傷つくことはなく、やりたいこと信じることをやって、影はありませんでした。しかし、この問題で定期的にネット検索をしていますが、相手方の記事を読むと、自分たちで治療の道を塞ぐだけでなく他も巻き込むという、どうしようもない悲しさがあります。1年以上連日近くこのような苦・不快を味わうと、人間が変わってしまいました。脳のテレビ特集で苦情処理係りがうつを発症した例が報道されたように、誰でも精神疾患は隣にあるものです。
 私が踏みとどまったのは、DSM5など頭にあることを一つずつ文章にして片付けていったことによりますが、Lorna Myers「心因性非てんかん性発作へのアプローチ」の中で、たくさんのことを抱えこまないことが解決策の一つだと教えられたこともあります。本当にあなたがすべきことですか、会社の誰かに話して他の人にやってもらえることではないですかという、認知行動療法につながるものです。2016年後半も池田脳抗体でRikoさんを守るため、比喩ではなく実際に歩きながら原稿を書いたりしていましたが、Myers忠告に従って、2017年京都の世界神経学会応募などはパスしました。これはマイナスですが自分を守る選択でした。

 去年からある行き違いが裁判の影響かと、足踏みもありました。振り返りの中で、苦しむのは、会社が要求しているわけでも「疫学」派が要求しているわけでもなく、あんたが(つまり自分が)そうしているのだろうということに気づきます。Rikoさんのような才能はなく、朝晩費やす自己犠牲によるここまでの成果ですが、読む人は少なく、読んでも当たり前としか思われないでしょう。
 足踏みも解決しました。池田教授のデータ不正を独自に指摘してRikoさんも守ることができ安心なので、今後はワクチンについては5日15日25日で日を限って書きます(科学に素人の弁護士さんのように、気にしてチェックに来て空振りではかわいそうです)。

 この問題でハッピーな人は誰もいないでしょう。村中さんも私同様に心痛めているでしょう。悩む人こそ笑いが必要です。悩みを多く聞かされる精神科医が自ら向精神薬を飲んでいますが、苦しみを想い浮かべた回数だけ、愉快なことに触れるしか解決策はありません。自分が楽しいと思うことも、人目「私や家族がこんなに苦しんでいるのに何をのんきな」を気にせず書くことにします。人間の精神は自由です。「現実」は変わらなくても、心一つで「世界」は変わるのです。いずれ認知行動療法について書きますが、この方針もその実践といえなくもありません。Take it easyという歌詞の歌もありますが、楽観は物事成就の鍵です、誤解を生むかもしれませんが、子宮頚がんワクチン問題も笑顔を失わずに。
 いずれ、調査委員会やArataniレポートにパンチです。

 2月26日、文意がより明らかになるように直しました。

子宮頚がんワクチン副反応72
(タグ;子宮頚癌、頸がん、頸癌、副作用)

子宮頸がんワクチン | 12:44:21 | トラックバック(0) | コメント(0)
アマゾン村中書評2 NANAさんへ
 信州大学についてはイラストだけ未だなので、あるご意見に即応記事です。村中eBookへの宇多田ヒカルファンさん書評に対する反論をに1月24日投稿しました(この紹介は後日)。この反論に対してNANAさんからご意見をいただきました。アマゾンのカスタマーレビューは規制があり、そこには十分に書くことができません。他の方にも見てもらいたい内容があり、ブログに書きます。

 ご意見ありがとうございます。ブログ「神経内科一歩前進」をネット検索して書評に記した日付の記事をたどれば分かったと思いますが、されていないようですね。重複略 村中さんが独自の研究をしたように誤解されているので、この問題に関心を持たれて日が浅いのでしょう。そのような方を大事にしたいと考えて、できるだけ分かり易く説明します。(もしNANAさんが専門職の方であればバカにされたと思わずに、当ブログが一般市民に対する科学的説明を目指していることをご理解して、許してください)

 鹿児島大発表が対照群としてHLA研究所の千単位の検査数使ったので、村中記事の「HLAアレル頻度はFisherのExact検定によりp値0.0162で有意差はない」になりました。これでNANAさんの誤解はなくなったでしょう。

村中wedge記事HLA検定

 しかし、ここを素通りできません。村中さんが{有意水準は厳密な統計解析では1%を設定し、p値が0.01より小さければ「有意差あり」とするが}と断っていますが、これを認めない方も多かったでしょう。そこで私はブログで健常者の保有率を推定して有意水準5%でも差がないと論証し、多くの人が認めました。

 ここで考えておくべきことは、統計の教科書で、有意水準は本質的に任意の値であり、どこが境になるかは問題によりけりということです。ワクチン問題と直接関係ないですが、テレビでシニアの暴力が多いという資料に民鉄協会の駅員に対する暴力行為の円グラフが出ていました。検定がないので、身びいきかも知れませんが差がないように思えたので、休みの日の朝食前にjs-STARというオンライン統計でカイ2乗検定しました。
 60代に対する多重比較で、20代に対してのみ有意となりました。別な年の値もあるし30代とは差がないが、もっと調べると年齢が高いと増えそうな印象です。
20代以下と* p=0.0006、
30代とns p=0.0384、
40代とns p=0.0094、
50代とns p>.05
面白いのはp値0.0094で有意でない(ns)とされていることで、村中さんがHLAアレル頻度の検定で0.01を基準としたことは、一般的な統計でも認められていることを知る材料です。

 私は2016-07-21の「子宮頚がんワクチンでHLAが死んだ4つの理由」で、HLA研究所の対照値を統計の観点から使ってはいけないと論証したので、彼らもそれを認めざるを得ず、最新の論文ではHLA有意差を全く言ってないというのが、私の書評の大きなポイントです。

 コメントが分けられているので、こちらにも要点だけ書きます。重複略
 村中さんが一般の臨床医と違ってワクチン会社の宣伝をしているとのご意見ですが、科学的ではない我が国のマスコミによって既成事実化しているので、自らこの問題を調べる一般臨床医は少なく、自分の患者以外にも発信する方はさらに稀です。ワクチンの効果について神経内科医が答える必要はなく会社の責任と考えていますが、少し関連文献を見るだけで、引用された発言に疑問はありません(会社とは関係ない産婦人科衣笠医師がこれらを説明する講演をしています)。村中さんFacebookへのコメントもいくつも削除されますので、お友達ではなく、ネット上の分析だけですが、彼女と会社とは隙間はあるように感じています(この先、これが誤りと分かれば進んで訂正し、NANAさんにお詫びします)。

 村中さんがこのワクチンを接種していないことを攻撃材料のように勘違いしている人が多いです。この問題にNANAさんは不慣れのようなので、誤解がないように言いますが、HPVワクチンはHPV感染後に子宮頸がんになるのを防ぐものではないです。HPV初回感染を予防するものですから、自分が既感染と考えたら接種する必要は全くないですね。
 こちらは性については遠慮なしに話すように教育されてきましたが、NANAさんが成人女性であるなら、村中さんがどうなのか、これ以上詮索したいですか?

 NANAさんの真剣な問いかけがなければ、この返事は生まれませんでした。あなたと同じ疑問を持たれる方々もいますので、このブログが疑問解消に役立てば、一日費やしたのも無駄にはならないでしょう。気になるのは村中さんが傷つく表現でなければと。

子宮頚がんワクチン副反応71
(タグ;子宮頚癌、頸がん、頸癌、副作用)


子宮頸がんワクチン | 23:01:16 | トラックバック(0) | コメント(0)
池田教授の脳抗体実験の真実4
子宮頚がんワクチン副反応70
(タグ;子宮頚癌、頸がん、頸癌、副作用)

 これまで「池田教授の脳抗体実験の真実2」「池田教授の脳抗体実験の真実3」で実験の不正を指摘しました。実験が正しく行われたら反論できるはずですから1か月待ちましたが、紀州の仙人さんでも反論できないようです。
 信州大学調査委員会報告では、接種は各1匹として村中記事を逃れようと画策しているようですが、こちらは公開された資料から批判なので、口裏合わせてもダメです。調査委員会報告については次回述べることにして、ここまで記述が長いので、明らかになったことを科学に素人の弁護士さんにもわかるように整理します。

 池田教授の脳抗体実験の真実3で述べたように、ワクチンを接種されたNF-kB p50ノックアウトマウスは自然に自己抗体を産出す自己免疫疾患モデル動物なので、池田教授の脳抗体実験の真実2で述べたように、HPVワクチン接種特異マウスがニセ子で、肝炎ワクチン接種特異マウスがアル公で、PBS接種特異マウスがチュー吉だった可能性があります。(ただし、調査委員会が再現実験を行い、HPVワクチン接種特異マウスの血清で抗体は染まらなかったので、他の大学の研究者は誰も池田教授の発表を信じず、追試などしないでしょう。)

池田脳抗体2

 信州大学の論文からわかるように、この特異マウスと野生系を掛け合わせた交雑マウスも病的です。よって、HPVワクチン接種特異マウス血液と、対照となるPBS接種特異マウス血液に使用した標本の交雑系マウスは同一個体である必要があります。繰り返しになりますが、池田発表スライドではHPVワクチン接種特異マウス血液と、対照となるPBS接種特異マウス血液に使用した交雑系マウスは同一個体ではないです。ワクチンと関係ない自己抗体産生という研究デザインの誤りに加えて、さらなる不正です。

図6 マウス脳の前額断(*1)、
Ikeda201603MouseBrain3.jpg

図7 池田発表PDF、拡大して再掲。
Ikeda201603MouseBrain4.jpg 

 これらを踏まえ、厚労省は「平成28年3月16日の成果発表会における池田修一氏の発表内容に関する厚生労働省の見解について」を発表し、「厚生労働省としては、厚生労働科学研究費補助金という国の研究費を用いて科学的観点から安全・安心な国民生活を実現するために、池田班へ研究費を補助しましたが池田氏の不適切な発表により、国民に対して誤解を招く事態となったことについての池田氏の社会的責任は大きく、大変遺憾に思っております。 また、厚生労働省は、この度の池田班の研究結果では、HPVワクチン接種後に生じた症状がHPVワクチンによって生じたかどうかについては何も証明されていない、と考えております。」と述べています。

 このような人が厚労省の研究班班長に留まることは許されません。解任し、混乱の責任から2017年度の研究費は認めるべきではありません。

 脳抗体については、なすりつけ派のACドクターズも恥として口にしないでしょう。ワクチン訴訟でも不利になるのは明らかで、逆切れ池田教授を弁護団がなだめるしかないでしょう。次回の調査書を読むで、恥がもっと明らかになるでしょう。

(*1)Mouse Brain in Stereotaxic Coordinates 1997

子宮頸がんワクチン | 12:54:54 | トラックバック(0) | コメント(0)
池田教授の脳抗体実験の真実3
(タグ;子宮頚癌、頸がん、頸癌、副作用)

 前回、脳抗体は茶番と述べました。池田英文症例報告の方にはまだまだ重要な批判点がありますが、子宮頸がんワクチン問題において脳抗体は本当にカスです。こんなものに時間を割くのは馬鹿げていますが、ACドクターズがどんなものかという教材にはなるでしょう。
村中記事がもっと分かる資料を見つけました。この問題に関心のある方には必須なので紹介します。この先にとても重要です。

NFkBp50ノックアウトと神経変性

 NFkBp50は、あらゆる神経細胞の存在し、その生存に大きな影響があるとされています(*1)。2007年、信州大学眼科を中心にNFkBp50ノックアウトマウス(以下、特異マウス)がヒトの正常圧緑内障の動物モデルになるのではという研究が発表されました(*2)。正常圧緑内障では眼圧上昇が原因ではなく神経自体が悪いと考えられています。
 雑誌はBritish Neuropathological Society(英国神経病理学会、訳は未確認)が発行し、科学誌ランキングとみなされるインパクトファクターJournal Impact指標2.91とされ良いです。論文もとても良いです(池田教授の脳抗体実験は信じられない退化ですね)。
 この特異マウスでは、何もしないでも(つまり加齢)網膜神経節細胞(図3)が障害され脱落します。

図3 網膜の細胞  WT::野生系、KO:NFkBp50ノックアウトマウス
網膜細胞TakahashiNFKB

 図4で、右棒で表される特異マウス(KO)の網膜神経節細胞数は、2ヶ月までは左棒で表される野生系(WT)と差がないですが、5ヶ月では有意(*1)に減少しています。

図4 野生系(WT)・交雑系(+/-)・NFkBp50ノックアウトマウス(KO)の網膜神経節細胞数
TakahasiNFKBCellLoss2.jpg

 NFkBはアルツハイマー病やパーキンソン病など他の神経変性疾患との関連も言われており、変性は抗体ではない機序も考えられますが、著者は一歩踏み出して特異マウスで自然にできる自己抗体が原因だろうとしています。図3下の右で野生系マウスの網膜神経節細胞標本に特異マウス血清をかけて結合した抗体を緑に染めています。左の野生系マウス血清をかけた同標本では染まりません。ここで注目していただきたいのは、標本に野生系マウスが使われており、抗体検出という狭い課題には問題はないことです。

 NFkBp50ノックアウトマウスにおける、自然な神経細胞変性や自己抗体産生が、池田教授の膝元の信州大学から発表されていては、村中記事ではこれらを信じたくなかったなすりつけ派も信じる他ないでしょう。

交雑系マウスも病的

 さらに重要なことが、池田脳抗体実験の標本にも使われた交雑系マウスの性質です。図4の中棒、(+/-)で示されている交雑系マウスも、数が数匹(記載あり)なので有意差はつかないものの、網膜神経節細胞数が野生系より少ない傾向があり、数を増やすか10か月まで観察すれば、間違いなく数が減るでしょう。
 ホモ動物よりは軽くても交雑系ヘテロ動物が異常をきたすことは遺伝の世界では珍しくありません。つまり、交雑系マウスも病的で、個体ごとに自己免疫発症の状態が違っているので、前回指摘したように、試行は厳格に行わないといけません。これがスライドの標本が同一個体かを問題とする理由です。
 同じ大学の先行論文では正しく野生系が使われているのに、池田脳抗体実験ではなぜゆがめて交雑系を使ったのでしょう。考えられるのは、野生系マウス標本ではHPVワクチン接種特異マウス血清の抗体が結合しなかったことです。

 通常IgGは正常脳には反応せず、図5で示すように、変性した組織には反応するようになります。白矢印で示すように、自己免疫疾患を発症すると特異IgGが正常脳に反応することがあります。なすりつけ派はこれがHPVワクチン抗体でも起きるとして池田実験を弁解するのですが、前述下線部が本当ならば白矢印ではなく、下の横矢印でしょう(*3)。接種前からNMDA受容体関連脳炎などを接種以前から持っていない、健常なHPVワクチン接種少女たちには、無縁な話です。

図5 免疫グロブリンと反応する組織
変性脳抗体

 つまり、免疫暴走特異マウスであっても、正常海馬に選択的に結合する自己抗体の特異IgGさえも生じなかったということになります。引用文献からすると、この交雑系マウスの海馬変性は、自己免疫機序でもない可能性があります。さらに、実際、特異マウスで自己抗体ができるといっても、個体ごとにテンデンバラバラにいろいろな組織に対して抗体ができるのであって、海馬に選択的に抗体ができる頻度はとても低いでしょうから。(*4)

(*1)Kaltschmidt B他 Cold Spring Harb Perspect Biol. 2009 Sep;1(3):a001271.
NF-kappaB in the nervous system.
(*2)Takahashi Y他 Neuropathol Appl Neurobiol. 2007 Dec;33(6):692-705.
Development of spontaneous optic neuropathy in NF-kappaBetap50-deficient mice: requirement for NF-kappaBetap50 in ganglion cell survival.
(*3)標本に使われた交雑系マウス脳の変性は複雑な過程なので、特異IgGだけでなく、左下向き黒矢印で示すように多種の通常IgGもくっついているでしょう。
(*4)ワクチンと関係なくNFkBp50ノックアウトマウスに、海馬選択的に結合する自己抗体ができると証明できたら科学的価値は十分あるはずで、子宮頸がんワクチンから足を洗って転向する方が良いです。

難しい話でしたが、頭のいい人なら全部つながって理解できたでしょう。次回、科学に素人の弁護士さんのために、まとめて解説します。

子宮頚がんワクチン副反応69

子宮頸がんワクチン | 11:27:10 | トラックバック(0) | コメント(0)
池田教授の脳抗体実験の真実2
(タグ;子宮頚癌、頸がん、頸癌、副作用)

実験の手順

1)分かり易いように図解で示します。ヒト換算で100倍量のHPVワクチンをこの特異マウスに接種しました。前述のようにNF-kB p50ノックアウトマウスの中には、自己免疫疾患を発症したものがいます。個々の割合は示されていませんが、理論的には図の様な組み合わせとなります。

図3、脳抗体実験の実際
下段は染色標本上の抗体結合の有無を表す。食塩水とあるのは、PBSと略される生理的な緩衝液のことです。
池田脳抗体2

2)HPVワクチンと肝炎ウィルスワクチンを接種されたマウスでは抗体ができて血中を流れますが、タンパク質が含まれない食塩水投与マウスには抗体ができません。

3)接種されたマウスの脳に障害が起こるかが最重要なので、接種されたマウスを殺して脳を採って調べるのが常識です。しかし、数カ月もすれば加齢により神経細胞死が生じる特異マウスなので、12か月目で殺して調べた所見がワクチン接種によるものか区別できないので発表もされていません。(*1)

4)血中抗体の有無をみるため、接種されていない交雑系マウス脳を切って薄い標本にして、接種された特異マウスの血液を標本に乗せ、その後、抗体染色をしました。前述のように、邪魔になる脳血液関門を除くことですし、それよりも、自己抗体とワクチン由来の抗体か区別できないので、この実験は「茶番」です。交雑系マウスを使ったことも重要な過ちなので、次回解説します。

5)実験は条件をそろえた中で、絞られた要因を比較するものです。通常であれば、1匹の交雑系マウスの脳から標本を何枚も作り、その中の1枚にマカトかニセ子の血液をかけ、他の1枚にアル公かルミ子の血液をかけ、別な1枚にチュー吉かノッ子の血液をかけたのです。事前に、マコトかニセ子か分かりません。これが試行1です。さらに別な交雑系マウスの脳の標本に同じように3種の血液をかけて試行2として、これを繰り返します。

6)ところが、池田教授のスライドには重大な疑惑があります。
連続切片を切り出しても標本作製の都合で何枚か飛びになる事があります。それでもとても薄い片なので細胞の分布などが類似になります。脳構造の立体的変化(参考資料;Mouse Brain in Stereotaxic Coordinates 1997)や標本のアーチファクトと呼ばれる傷などを手がかりにして、同一ブロックから作ったものか分かります。

図 池田発表PDF
Ikeda201603MouseBrain1F.jpg

池田発表スライドをこの観点からみると、緩衝液(PBS)接種特異マウス血液に使用した交雑系マウスと、染まっていない肝炎ワクチン接種特異マウス血液は同一と思われます。しかし、対照となるべきPBS接種特異マウス血液に使用した交雑系マウスと、HPVワクチン接種特異マウス血液に使った交雑系マウスとは明らかに違います。(*2)
 しかも、標本となったのは野生系ではなく、次回説明するように病的な交雑系マウスなので問題になります。(*3)。

 知っている方もいると思いますが別な論文不正事件で、電気泳動で試料と対照は同時に泳動しなければいけませんが、対照を別な同様実験から借用して並べた画像で論文にして「捏造」とされました。研究者からすると、同じになるに決まっている対照の見た目を気にしただけで結論は変わりないと言いたいですが、研究はこのように厳しいのです。

 時間的、空間的、論理的な制約を受けた「まとまり」がN=1であって、このような配慮もない抗体染色データプールの中から、今回のように都合の良いデータだけをピックアップするのはN=1でさえありません。矛盾するデータもあるのに、科学的な理由なく都合の良いデータだけをピックアップするのは「限りなく捏造に近い」データ不正改ざんです。

(*1)月刊Wedge7月号「子宮頸がんワクチン薬害研究班 崩れる根拠、暴かれた捏造」
その
一部
(*2)同一個体の連続切片であるかについて、この領域でのマウス研究者が実名で批判されるなら、十分検討の用意があります。
(*3)村中さんがWedge7月号で、「交雑種マウスでは起きた異常を何も説明できない」と嘆くのはこのことです。

子宮頚がんワクチン副反応68

子宮頸がんワクチン | 09:31:12 | トラックバック(0) | コメント(0)
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